磁石がくっつく原理とは?

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■磁石がくっつく理由

磁石を磁石に近づけると、磁石同士はくっつきます。小学生でも知っていることですが、どうして磁石がくっつくのか理由までは知らないという方が多いのではないでしょうか。

磁石がくっつく理由は、すべての物質の最小単位である原子にあります。原子の周りには電子が回転していて、この電子の回転が引き付ける力を持っています。一つ一つの原子の引き付ける力の方向性が統一されている物質は磁力(引き付ける力)を持ちます。

一方、一つ一つの原子の引き付ける力の方向性がバラバラだと、磁力を持つことができません。

原子の引き付ける力の方向性が統一されている物質が、磁力を持つ物質と言えます。

■永久磁石とは何?

永久磁石とは、原子の引き付ける方向性が統一された状態で存在し続けることができる物質のことです。つまり、磁力を持ち続けられる物質と言い換えても差し支えありません。

鉄を磁石にくっつけると、鉄自身の原子の引き付ける力の方向性が統一され、鉄自身が磁力を持ちます。磁石にくっついた鉄はしばらくの間、磁石の性質を持ちますが、ずっと磁力を持ち続けることはできません。鉄自身が磁力を持ったとしても、引き付ける方向性をずっと一定に保ち続けることが出来ないからです。

一方、永久磁石は周りの環境に左右されることなく(極度の高温になると磁力が失われますが)原子の引き付ける方向性が統一され続けて、磁力を持ち続けることができます。

また、永久磁石には

  • フェライト磁石
  • サマリウムコバルト磁石
  • ネオジム磁石

といった種類があります。以下、それぞれ詳しく説明します。

・フェライト磁石

フェライト磁石は日本で最も作られている磁石です。粉末状の鉄の酸化物を焼結させて形作ります。ネオジム磁石などに使われる高価な希土類を使用しないため、比較的安価で製造できます。また、粉末を元に作られるので自由な形に形作ることができるというメリットもあります。

フェライト磁石は磁器なので、薬品に強く錆びません。ただし、磁器なのでかけやすい点には注意が必要です。

・サマリウムコバルト磁石

サマリウムコバルト磁石は、世界最強と呼ばれているネオジム磁石の次に磁力の高い磁石です。サマリウムコバルト磁石の最大の特徴は高い耐熱性にあります。

磁石は極度の高温環境に置かれると、磁力が弱くなってしまう性質があり、一定の温度(キュリー温度と言います)を超えると磁石としての性質を保つことができません。

一般的なキュリー温度は300℃~450℃程度なのですが、サマリウムコバルト磁石のキュリー温度は700℃~800℃程度。かなり高温の環境でも磁力を失うことなく使用可能です。

その上錆にも強く、コーティングなどは必要ありません。

高い磁力、高いキュリー温度、そして高い防錆性と高機能なサマリウムコバルト磁石ですが、希土類(レアアース)磁石と呼ばれており、価格が高いというデメリットもあります。

また、発火しやすいという特徴もあるため取り扱いには注意が必要です。

・ネオジム磁石

世界最強の磁力を持つ磁石。それが、ネオジム磁石です。小型でも十分に強力な磁力を持っているので、モータの小型化などに大きく寄与しています。

小さくても強力という非常に大きなメリットを持っていますが、その反面デメリットも大きいです。まず、希土類(レアアース)を利用しているので高価であるということ。そして高温に弱く(キュリー温度は300℃程度)錆びやすい。錆びやすいので多くの場合、ニッケルメッキなどで防錆を施す必要があるので、元々高い価格がさらに高くなってしまいます。世界最強のネオジム磁石ですが、デメリットも大きいので、使う場所等をしっかりと検討することが必要です。

■まとめ:原子一つ一つの力の方向性が統一された物質が磁石

前述したように、引き付ける力が統一されるとその物質は磁力を持ちます。そして、外部環境に影響されることなく、磁力を持ち続けられる性質を持つ物質が永久磁石です。

永久磁石にはフェライト磁石・サマリウムコバルト磁石・ネオジム磁石などがあり、性質や価格なども大きく異なるので、状況に応じて適切な磁石を利用する必要があります。