ネオジム磁石とは?ネオジム磁石の特徴と用途を紹介

ネオジム磁石
Red and blue horseshoe magnet on color background, top view. Space for text

■ネオジム磁石とは?

ネオジム磁石は様々な種類がある磁石の中でも、最も強い磁力を持つ永久磁石です。

強力な磁力を持つため、ネオジム磁石同士をくっつけてしまうと、人の力では真っすぐに剥がすことができません。

ネオジム磁石の主成分はネオジウム(Nd)、鉄(Fe)、ホウ素(B)の3つです。中でも鉄は68%を占めており、非常に錆びやすいという特徴を持っています。そのため、ネオジム磁石にはニッケルメッキなどで防錆処理を施すことが多いです。

また、ネオジム磁石は熱に弱いという特徴があり、高温になってしまうと磁力が減衰してしまいます。他の磁石は磁力の減衰する温度(キュリー温度と言います)が450℃~850℃

なのに対し、ネオジム磁石は320℃程度。したがって、ネオジム磁石は高温場所での使用は適していません。

■ネオジム磁石はなぜ磁力がこんなに強力なのか?

世界最強と名前の付くほど強力なネオジム磁石ですが、強力である理由はなんなのでしょうか。ネオジム磁石の強い磁力の理由は、統一された「磁気異方性」と高い「飽和磁化」にあります。

磁気異方性は、一定の方向に磁化しやすい性質のことです。磁性体の中には無数の結晶が存在しており、それぞれの結晶は磁化しやすい方向が異なります。結晶一つ一つの磁化しやすい方向が皆同じ方向を向いていれば、当然磁力が高くなります。

結晶同士で磁化しやすい方向性がある程度統一されている性質を「一軸結晶磁気異方性」と呼びます。ネオジム磁石の主成分であるネオジムは、この一軸結晶磁気異方性が高いため、ネオジム磁石は強力な磁力を持ちえます。

ただ、一軸結晶磁気異方性が高かったとしても、飽和磁化が高くなければ強い磁石にはなりません。飽和磁化とは文字通り磁化が飽和している状態で、磁力をため込める限界というイメージを持ってもらえればOKです。つまり、いくら一軸結晶磁気異方性が高くても飽和磁化が高くなければ高い磁力を持つことはできません。

ネオジム磁石は高い一軸結晶磁気異方性と高い飽和磁化を持つため、世界最強と言われるほどの磁力を持っているのです。

■ネオジム磁石の用途

ネオジム磁石は各種モータ・スピーカー・スマートフォン・電気自動車などありとあらゆる電子機器に用いられています。小型で強力なネオジム磁石はありとあらゆる製品の小型化に寄与し、切り離して考えることができないものです。

また、その強力な磁力を利用して、フックマグネットなど家庭内の便利用品としても活躍しています。

■ネオジム磁石のリスク・危険性

小型でも強力なネオジム磁石ですが、その反面リスクや危険性もはらんでいます。適切な利用を心がけましょう。下記にリスク・危険性をまとめました。

  • 強力な磁力によるケガ
  • 小さいが故の誤飲
  • ペースメーカーなど電子機器の誤作動

ネオジム磁石は小さくても非常に強力な磁力を持ちます。そのため、磁石で指を挟んだり、勢いよくくっついたはずみで磁石自体が破損してしまうことも。防護用の手袋をして取り扱うなど、細心の注意を払いましょう。

小さいネオジム磁石は1cmより小さいものもあります。したがって子どもの手の届くところに置いておくのはやめてください。誤飲してしまって、体内で磁石同士がくっつくと大きな事故につながる恐れがあります。

ネオジム磁石の強い磁力によって電子機器の誤作動を引き起こす場合があります。特にペースメーカーを使っている人はネオジム磁石の利用は避けましょう。また、携帯電話やフロッピーディスクなどにネオジム磁石を近づけるとデータ破損などの恐れがあります。

■まとめ:強力なネオジム磁石は使い方・使う場所に気を付けて利用する

小型で強力なネオジム磁石は、非常に便利な反面、使い方や使う場所を間違えると思わぬ事故の原因になってしまいます。

ケガするリスクがあるほどの強力な磁力を持っていると自覚を持って扱う。高温になる場所では使用しない。など、気を付けて利用することが大切です。