鋼球(スチールボール)の等級について解説!!

鋼球を選ぶ際に見ておくべきポイントとして、材質やサイズなどのほかに「等級」があります。特に精度が要求される玉軸受用鋼球(クローム球)は、等級の確認を怠るとトラブルのもとになりかねません。しかし、鋼球を取り扱ったことのない方からすれば、等級とはどういった意味なのか分からないことでしょう。

そこで本記事では鋼球を選定、または取り扱う上で重要な、等級について解説します。等級について知識を深めたい方はぜひご一読ください。

鋼球(スチールボール)の等級とは?

鋼球(スチールボール)の代表的な種類として、主にベアリングに使われている玉軸受用鋼球(クローム球)と、パチンコ玉やローラーなどに使われている炭素鋼球(カーボン球)があります。

等級とは、上記のなかの玉軸受用鋼球(クローム球)の規格、【JIS B 1501:2009 転がり軸受-鋼球】にて定められている、球体の精度の高さを表す区分のことで、別名「グレード」とも呼ばれています。

等級は、G3・G5・G10などのようにアルファベットと数字の組み合わせで表示されます。JIS B 1501ではG3~G200までの合計11種類の等級に分類しており、等級の数字が小さいものほど形状や表面粗さの許容限界値が小さく、取り扱いのあるサイズも小さい傾向にあります。

鋼球における「等級」の用語は、玉軸受鋼球(クローム球)にて使われることが多いものですが、メーカーによっては、自社規格で炭素鋼球(カーボン球)などにも別途等級を定めている場合があります。

また、玉軸受用鋼球(クローム球)の材料については、【JIS G 4805 高炭素クロム軸受鋼鋼材】によるものと決まりがあり、多くのメーカーがJIS G 4805に準拠しているSUJ-2の材質を採用しています。ベアリング用鋼球を購入または取り扱う際は、材質がJIS規格に準拠しているかどうかもチェックしておきましょう。

等級に関係する用語について

【JIS B 1501:2009 転がり軸受-鋼球】に記述されている、等級に関する用語および定義については下記の通りです。

  • 等級(G)

寸法、形状、表面粗さ及びゲージ間隔の許容値についての特定の区分。等級は、ラテン文字Gとアラビア数字とで表す。

  • 直径不同(VDws

1個の鋼球の直径の最大値と最小値との差。

  • 真球度

鋼球表面の最小二乗平均球面の中心をその中心とする、最小外接面と最大内接球面との半径差。

  • 表面粗さ(Ra)

製造方法及び/又は他の影響より生じた、比較的小さな間隔をもつ表面の不均一性。

  • ロット

等しいと考えられる条件の下で製造し、同一品として取り扱う一定数量の鋼球。

  • ロットの直径の相互差(VDwL

ロット内の最大鋼球の平均直径と最小鋼球の平均直径との差。

等級の適用範囲について

等級は、【JIS B 1501:2009 転がり軸受-鋼球】に定められている、直径不同・真球度・表面粗さ・ロットの直径の相互差で区分が分けられています。区分の詳細については下記表を参照してください。

  • 形状及び表面粗さの許容限界値、等級の精度(単位:㎛)
等級形状及び表面粗さの許容限界値等級の精度
直径不同 (VDws 最大真球度   最大表面粗さ (Ra 最大ロットの直径の相互差 (VDwL 最大
G30.080.080.0100.13
G50.130.130.0140.25
G100.250.250.0200.5
G160.40.40.0250.8
G200.50.50.0321
G240.60.60.0401.2
G280.70.70.0501.4
G40110.0602
G601.51.50.0803
G1002.52.50.1005
G200550.15010

参考資料:JIS B 1501:2009 転がり軸受-鋼球

しかしメーカーは、製造しているすべてのサイズに対して、全種類の等級を用意している訳ではありません。基本的には、「等級G3のサイズ適用範囲:0.3~12mm」などのように、等級ごとに製造および在庫をしているサイズが異なります。

鋼球(スチールボール)の等級についてのまとめ

  • 等級とは、玉軸受用鋼球(クローム球)の規格、【JIS B 1501:2009 転がり軸受-鋼球】にて定められている、球体の丸みや寸法などの精度の高さを表す区分のこと。
  • 等級はJIS B 1501の規格にて、G3~G200までの計11種類が規定されており、等級の数字が小さいものほど、形状や表面粗さの許容限界値が小さく、取り扱いのあるサイズも小さい傾向にある。
  • メーカーによっては、玉軸受用鋼球(クローム球)に限らず、炭素鋼球(カーボン球)などにも等級を設けている場合もある。