鋼球とは?特徴や用途を解説

鋼球とは、どのような製品かご存知でしょうか?鋼球はあらゆる機械製品に搭載しており、私たちの生活を影ながら支えている部品です。その名称から外観のイメージは付きやすいものの、鋼球を扱わない方からすれば、詳細については分からないものかと思われます。

そこで本記事では、鋼球の特徴や用途について解説します。鋼球の知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

■鋼球(スチールボール)とは?

鋼球とは、名前の通り鋼でできた球のことをいいます。読み方は「こうきゅう」ですが、別名「スチールボール」と呼ばれることも。

そもそも「鋼」とは何かを説明すると、鉄に0.02~2%ほどの炭素を含有した合金のことです。用途によっては、クロム・ニッケル・モリブデンなどの合金元素を混ぜて、耐食性や耐摩耗性などを向上させています。

鋼球は、円柱状に切った線材をプレス加工し、球状に変形。そこから、バリ取り・熱処理・研磨などを行い、生産されます。鋼球は高い寸法精度が求められるため、何度も磨きあげて作られています。

■鋼球にはどんな種類があるの?

鋼球には大きく分けて、玉軸受用鋼球(クローム球)と炭素鋼球(カーボン球)の2種類があります。

玉軸受用鋼球(クローム球)

玉軸受用鋼球(クローム球)は、主に機械製品の回転部に使われている鋼球です。メーカーによっては「転がり軸受用鋼球」などとも呼ばれています。

玉軸受用鋼球(クローム球)は、後述する炭素鋼球(カーボン球)よりも耐摩耗性・耐久性に優れ、荷重がかかる箇所に多く採用されています。また、非常に高い寸法精度で作られているのも特徴。なかには、1㎛や0.1㎛単位の寸法公差で作られています。

使用する材質は、「高炭素クロム軸受鋼鋼材 JIS G 4805」に記述されている、SUJ2が一般的です。

品質については、JIS規格「転がり軸受-鋼球 JIS B1501」にて、真球度や表面粗さなどが定められています。寸法・真球度・表面粗さの許容値は、G3~G200の等級により違いがあり、Gの後ろに付随する数値が小さいものほど、高い精度で作られています。

炭素鋼球(カーボン球)

炭素鋼球(カーボン球)は、荷重があまりかからないような箇所に採用されている鋼球で、玉軸受用鋼球(クローム球)よりも、比較的柔らかいのが特徴です。

玉軸受用鋼球のように、JIS規格は定められていませんが、メーカーによっては、旧規格である「自転車用炭素鋼球 JIS D 9404」をもとに製作していることも。材質については、「冷間圧造用炭素鋼―第2部:線 JIS G 3507-2」の、SWCH10Rを採用しているメーカーが多いです。

炭素鋼球は、強度を上げるために浸炭焼入れを行います。浸炭とは、鋼の表面に炭素を浸透拡散させる処理で、耐摩耗性の向上が期待できます。さらに浸炭から焼入れを行うと、表面に浸透した炭素が作用し、通常の焼入れよりも表面硬さを得ることが可能です。

鋼球の用途について

鋼球は、ベアリング・パチンコ玉・キャスター・ボールねじ・オモリなど、さまざま用途で使われています。今回はそのなかでも代表的な、ベアリングとパチンコ玉について解説します。

ベアリング

ベアリングは、機械製品の回転を補助するための部品で、自動車や飛行機、家電製品など、多くの機械製品に取り入れられています。

これらの機械製品には、ギアやモーターなどを回転させるための軸を搭載しています。軸にベアリングを用いることで、摩擦は少なくなり、より滑らかな動きを実現します。

ベアリングは、荷重のかかる箇所での使用が多いほか、滑らかに回転させるためにも、優れた耐久性と精密性が必要です。そのため、これらの要求を満たした、玉軸受用鋼球(カーボン球)が採用されています。

パチンコ玉

パチンコ玉は、国家公安委員会により定められた規格があり、寸法や質量などが指定されています。材質も鋼製かつ、均一のものでなければなりません。

パチンコ玉の種類は、炭素鋼球(カーボン球)が採用されています。炭素鋼球は、耐摩耗性に優れているため、動きが活発なパチンコ玉でも長期間の運用が可能です。

また、クロムメッキを施すことで、銀色の美しい外観と、優れた耐久性を有しているのも特徴。なかには、チタンでメッキした、金色のパチンコ玉が使われることも。店舗によっては無地のパチンコ玉だけでなく、お店の名前やロゴなどの刻印を施したものもあります。

鋼球についてのまとめ

今回は、鋼球(スチールボール)について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

鋼球には大きく分けて、玉軸受用鋼球(クローム球)と炭素鋼球(カーボン球)の2種類があります。これらは特徴が異なるため、用途によって使い分けが必要です。

玉軸受鋼球は精密性と耐久性に優れているため、機械製品のベアリングなどに採用されています。炭素鋼球は玉軸受鋼球と比べて柔らかいものの、耐摩耗性は良好。パチンコ玉などの荷重があまりかからない場所で採用されています。

鋼球を選定する際は、用途に合わせて、種類や等級などをチェックするようにしてください。