鋼球はどう作られる?製造工程を解説

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鋼球は、より丸くするため、そして耐久性を持たせるために、さまざまな工程が必要となります。鋼球の製造がどのようにして行われているのか、気になる方はぜひチェックしてみてください。

鋼球(スチールボール)とは、丸くて丈夫な球

鋼球とは、そもそもどういったモノなのでしょうか。

鋼球は、別名「スチールボール」とも呼ばれる製品で、その名前の通り、鋼でできた球のことを指します。鋼は鉄に0.02~2%ほどの炭素を含有した合金ですが、耐食性や強度などを向上するなどの用途によって、他の合金元素を加える場合もあります。

鋼球の使用例としては、ベアリングやパチンコ玉などが代表的です。ベアリングで使われる鋼球は、玉軸受用鋼球(クローム球)と呼ばれる製品で、耐久性と寸法精度に優れています。一方、パチンコ玉は、炭素鋼球(カーボン球)と呼ばれるモノを使用。炭素鋼球(カーボン球)は、表面を硬くすることで耐摩耗性を向上した鋼球です。

鋼球(スチールボール)の製作の流れ

鋼球は、ベアリングやパチンコ玉として正しく機能するためにも、より完全な球(真球)でなければなりません。また、長期的に使うために耐久性も必要です。ここでは、その鋼球が一体どのようにして作られているのかをご紹介します。

球体成形

鋼球は、鋼をコイル状に巻き取った線材を原料として使います。玉軸受用鋼球(クローム球)の場合は、「JIS G 4805規格 高炭素クロム軸受鋼鋼材」のSUJ2を用いるのが一般的。炭素鋼球(カーボン球)は、「冷間圧造用炭素鋼―第2部:線 JIS G 3507-2」のSWCH10Rを採用しているメーカーが多いです。

線材は決められた長さにカットしたのち、金型を用いてプレス加工を行い、球体へと成形します。プレス加工された鋼は、バリ(加工で発生した突起)が付いた状態です。より丸くするためには、ここから何度も研磨していく必要があります。

フラッシング(荒研磨)

球体成形した鋼に付いているバリを取り除くために、フラッシングを行います。フラッシングとは荒研磨のことで、溝付きの金属盤2枚を使って研磨します。金属盤2枚の間に丸くした鋼を挟み込み、溝のなかで転がしてバリを取り除きます。鋼球は、フラッシングによりバリを取り除いたあとも、表面はまだデコボコの状態です。

熱処理

次に荒研磨した鋼球を焼入れ・焼戻しして、強度と耐久性を向上させます。焼入れは、鋼球をおよそ800℃まで熱してから、水槽に入れて冷やし、鋼の組織を変化させます。これにより、鋼球に硬さが生まれます。

ただし、鋼球は焼入れしただけだと脆い状態です。そのため、再び200℃近くの高温の炉に鋼球を入れてから徐冷する、焼戻しも行います。焼戻しを行うと鋼の組織が安定し、より丈夫な鋼球になります。

炭素鋼球(カーボン球)の場合は、焼入れの前に浸炭も行います。浸炭とは、鋼の表面に炭素を浸透拡散させる処理のことで、耐摩耗性を向上するのに効果的です。また、パチンコ玉のようにロゴマークを表示させたい場合は、これらの熱処理をする前に、金型を用いて刻印する工程も挟みます。

精密研磨

精密研磨機を用いて、鋼球をほぼ真球になるように磨き上げます。機械の構造はフラッシングと似ていますが、ここでは溝の付いた金属盤と砥石盤を使って加工します。

玉軸受用鋼球(クローム球)のような、高い精度が求められる鋼球は、砥石も粒度の荒いモノから細かいモノへと変えて、さらに磨き上げる「ラッピング」も行います。繰り返し研磨されることで、鋼球はピカピカになり、より真球度の高いモノになります。

洗浄および検査

鋼球に付いた汚れや油を洗浄したのち、サイズが正しく作られているか、表面のキズはないかなどの検査が行われます。精度の高いモノだと、サイズの誤差は0.1㎛以下の精度です。検査を合格した鋼球のみ梱包し、ユーザーへ提供されます。

高精度の鋼球は、繰り返し研磨されて作られる

今回は鋼球の製造工程について解説しました。鋼球は、丸さと耐久性を必要とする製品です。メーカーは、寸法誤差が0.1㎛以下のような、高い精度の鋼球を作るために、何度も研磨を行います。また、丈夫な鋼球を作るためには、熱処理も必要です。

しかし、各メーカーによって、鋼球の加工方法や検査方法などは細かく違いがあるもの。鋼球を利用するユーザーは、安定した品質の鋼球を得るためにも、信頼できる鋼球メーカーを選ぶ必要があります。もし、鋼球メーカーをお探しの際に不明な点があれば、疑問を解消するべく、問い合わせてみることをおすすめします。